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パソコンスキルの心技体

「地図」と「体験」

2019年2月1日
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まずは昨日紹介したショートカットキーの話の続き。
ウェブページでの高速移動には、 [Tab] キーが便利。

チェックボックスやラジオボタンにフォーカスが来たら、[Space] でボタンのチェックを入れる/はずす、の操作ができます。
送信ボタンなども、そこにフォーカスが来たら [Space] 。で、マウスでクリックしないでもボタンを押すことができます。

昨日の記事:[無料動画]「パソコン初心者が気づかず上級者が気づくこと」を、たった2分の動画で解説
https://www.exvba.com/9809/


おとといのメールで以下のようなことを書きました。

  • 上級者の「感情の動き」をマネしましょう!
  • それ以前に、自分の「感情の動き」に敏感になりましょう!

以下は、その件について、ウチの看板講座「パソコン仕事5倍塾生」の方からいただいたフィードバック。

小川先生の「つぶやき」とても共感できます。
いずれかの動画の作業をされていてミスを修正される時のつぶやきなどニヤニヤしてしまいます。
5倍塾に出会い、自分の仕事で結果以上のそれまでのプロセスが効率的かどうかを意識するようになりました。
また、授業での生徒に解法を示すときも「ダサい」か、「かっこいい」かを大切にしています。
ただ、今の自分の勉強へのモチベーションがいまいちなのでそれもしっかり観察しないといけないです。観察しています。

今日は、このフィードバックの前半部分の内容を受けて、軽くコメントを。

僕の動画講座は、演習重視です。
特に、初心者向け講座ほど。

とか

とかは、もう、演習ばかり。

なぜか。
話は簡単で、「知っただけでは、実務で使えない」からです。

実は、先日も、ある会社さんから問い合わせを受け、法人研修の説明にいってきたところです。
事前のヒアリングシートに:

研修のメインテーマ(パソコンショートカットキー研修、エクセルマクロ研修、等)
  →イヤでもWindowsとExcelが早くなる講座
   ショートカットキーを使える(知るではなく使う)

とありました。

「知るではなく使う」とおっしゃています。
それで、「ずいぶん感度の高い人事担当者さんだな…」と思ってお話お聞きしにいったら…。

  • 以前に、よその研修を実施済。
  • ショートカットキーもたくさんつめこみで教わったのだが、定着していない。
  • そこで、以前からメルマガを読んでいたガラパゴスに声をかけた。

とのことでした。
なるほど…。と、納得。
「情報つめこみ」って、典型的な、成果がでない研修のパターンです。

そのことをは、僕は、よく、「地図」に例えます。
「情報のつめこみ」というのは、行ったこともない外国の街の地図をたくさん渡されて

「ここの塔からは、街を一望できるんだ!」
「この教会の中のこの回廊は○○様式と言ってね!△△さんていう、当時の有名な画家が描いた絵がこんな感じで飾られていて…」
「ここにおいしいケーキ屋があるよ!」
「ここの広場には、ぜったいいったほうがいい。大道芸人が楽しい芸をしているよ。行き方は、さっき話した、あの王宮から、裏口を出て、☆☆駅から路面電車に乗って3駅したら、降りて、南に3ブロック歩いて…」

とか、そういう話を延々と聞かされるようなものです。
ピンとこないですよね…。
土地勘のないところの情報をたくさん詰め込まれても、頭に残らないです。

「ロスアンゼルス」とか「ローマ」とかの有名どころの土地を例にするとかえって分かりにくいので…。
僕の馴染みのある土地のうちでも、マイナーなところを例にします。

たとえば、僕が、南米チリのサンチャゴにある市街地や「エスタディオモニュメンタル」、「エスタディオナショナル」といったサッカースタジアム、イースター島から持って帰ったモアイの置かれている「リオデジャネイロ公園」、スペイン人と先住民達の戦争の焦点になった「セロトレス」という丘のこと、「イララザバル」という通り沿いにある、自転車屋ばかりが連なっている商店街(?)のこと、「パルケアラウコ」というおすすめのショッピングモールのこと、それから、「プロビデンシア」という近代的な市街地からのそれぞれの見どころへのバスでのアクセス方法、なんて話をしても、誰もピンとこないと思います。

どうでしょう。

ピンとこないですよね。

それと同じことです。

「ショートカットキーをたくさん教えます」みたいな研修やっているところって多いですけど、そういうところは何をしているのか?というと。
実は、ひたすら地図を渡して解説をしているようなものです。

提供している情報が、
「相手の土地勘のない土地の広くかつ詳細な地図」なのか、
「相手の土地勘のないパソコン操作の広くかつ詳細な地図」なのか、
それだけの違いです。

で、相手の脳をパンクさせる。

受講生は、情報をたくさんつめこまれて頭がパンクしたことに、一時的な快楽を感じている。
で、受講後のアンケートには、「たくさん情報をもらいました!いつか活用します!すごい財産です!」というようなことを書く。

人事担当者は、「あ、じゃあ、まあ、いい研修だったのかな」と思う。
でも、その受講生には何も残らない。

では、どうするのか?
その土地について紹介したいなら、地図を渡して一方的に説明するのではなく、
「ガイドつきツアーを企画して、お連れする」
というのがいちばん簡単、確実。

まずは、とても簡単な地図を渡す。
最初は概略図でOK。
そして、その地図を見ながら、お客さんと一緒に歩きます。

地図だけではピンとこなかったことも、実際に歩いてみるとよく分かります。
平面的だった情報が、立体的な体験になる。

そうしたら、地図を、少しだけブラッシュアップ。
地図を少し描きこむ。
「ついでに言うと、この近くには、こんな建物もあってね」と。
「それ、行ってみたい!」ということであれば、お連れします。

そしたら、その方の興味に合わせて、また地図への描きこみを増やして
「それじゃ、こんなのはどう?あなたに関係ありそうだけど」
「ああ、興味ありますあります!」
「じゃ、行きましょう ヾ(´ー`)ノ 」

…と、そんな感じ。

地図を渡したら、体験してもらう。
そして、体験した土地だからこそ分かることを、また地図に描きこむ。そしてまた体験してもらう。
ときには、ガイドはわざと姿を消して、地図を見ながら、一人で歩いてもらう。
そんなことをしつつ、でも、実は、僕が「ここは抑えたい!」と思っていた街の重要ポイントには、さりげなく、すべてお連れしている。

ツアーが終わったあと、
「もう、この街、私、ひとりで歩けます!」
「小川さんにいちいち聞かなくても、分からないことは自分で調べて歩けそうです!」
と行ってもらえれば、ツアーの本当の目的は達成です ヾ(´ー`)ノ

これが、人に情報を伝えるときの、本当のやり方です。

パソコンショートカットキーを教えるときも、同じです。
パソコンショートカットキーについての情報(地図)をお渡しする。
最初は最低限でオーケー。
そうしたら、ともあれ、実際に体験してもらう。
体験した人でないとピンと来ないような情報(地図)は、それからお渡しする。
そうしたら、また、体験してもらう。
ときには、ひとりで地図をみながらさまよってもらう。

そうこうしているうちに、ひとり歩きできるだけの情報が揃ってくる。
だいたいのことは、ショートカットキーでできるようになる。
知らないショートカットキーも調べてすぐに自分のものにできるようになる。

僕がお伝えしたかったポイントをひととおり抑えたら、講座は終わり。
あとは、ご自身でどんどん上達してください ヾ(´ー`)ノ

ということです。

今回紹介したコメントの件。

小川先生の「つぶやき」とても共感できます。
いずれかの動画の作業をされていてミスを修正される時のつぶやきなどニヤニヤしてしまいます。

ということですが…。
実は、僕が用意した演習の回答見本動画では、失敗のない「キレイで上手なお手本」だけでなく、僕が途中で軽くハマっちゃったりしている様子をそのまま収録している動画もけっこうあります。

なぜか?というと、それは、話は簡単。

理由のひとつは、ハマりからリカバリーする様子の動画を見ると、「なんだ、小川先生でも、しょっちゅうハマるじゃない(じゃ、自分がハマっても、別にいいんだな)」と、安心してもらえること。

プログラムを書く: 完璧に行動する
パソコン得意な人: 完璧に行動する

みたいな思い込みを持っている人が世の中多いです。
その思い込みをはずしてもらうこと。

あと、もうひとつ理由があります。
それは、「ハマったときの対応の様子を生収録したもの」って、上で書いた「ひとり歩き」のときに役に立つから、ということです。

上述のとおり、パソコン得意な人に対して、多くの方が、

プログラムを書く: 完璧に行動する
パソコン得意な人: 完璧に行動する

みたいな思い込みを持っています。

ですが、実際は、よく観察すると、彼らもしょっちゅう細かい失敗をしています。
ときには大きな失敗もする。

でも、実際には、彼らは、ミスをしないのではなく、
「ハマったときのリカバリーが上手」
なのです。

僕も、慣れた街を歩いていても、迷子になります。横浜に住んで6年めになりますが、下手すると、それでも、横浜で迷子になります。
あるいは、転びます。

でも、迷ったときにどう解消するか?
転んだときに、どう起き上がるか?

そういうことを体感覚として知っているので、すぐに自分が知っている場所に戻れる。
あるいは、起き上がれる。

誰でも迷ったり転んだりします。
慣れてからもするし、慣れる前はもっとします。

失敗解消の様子もそのまま収録した動画は、「ハマったとき、僕なら、どうやってそういう状況をリカバリーするか?」という生のノウハウをそのまま提供するという意味もあってそのままお渡ししています。

そういう情報こそ、ひとり歩きに絶対必要な情報だからです。
なので、あまり多少の失敗なら気にせずそのまま教材にしています。

もっとも、さらに注意深く僕の教材を観察すると分かりますが、「失敗→リカバリー」という様子まで収録している動画は、演習でも前半には登場しません。中盤以降。

なぜか?
話は簡単で、「失敗からリカバリーする方法」という情報(地図)を渡すには早すぎるタイミングの人に、はその地図を渡さないようにしているからです。

ということで、今日のまとめは、こんな感じ↓ですかね。

  • 情報提供したいときは、情報過多にならないように気をつける
  • たくさん情報提供したいときは、
    地図を渡す」→「体験してもらう」をくり返す

「情報過多」というのは、特に、自分が得意なことを人に教えるときにやってしまいがちです。
先輩が後輩を指導するときとか、仕事の引き継ぎとかのシーンで起こりがち。

この話が、そういうときの参考にもなれば、と思います。

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